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はじめに
「MVV見直しの舞台裏」として、新しいMVVが出来上がるまでの過程について、これまで分割記事として紹介をしてきました。
舞台裏の最後の記事「MVV見直しの舞台裏(その4 ~Value策定の『果て』~)」では、さらっと『クレドカードの作り直し』に触れています。
ただ、この「作り直し」も、決して簡単ではありませんでした。
言葉を整えるだけでなく、「持ち歩ける形にする」「日々の業務や振り返りで使えるようにする」といった運用フェーズまで含めて考える必要があったからです。
今回は、そんな『クレドカードの作り直し』の全体像を簡潔にご紹介します。
クレドカードの設計思想
クレドカードは、Mission / Vision / Value を「持ち歩ける形」に落とし込み、日々の会話や振り返りの中で「使える状態」にするためのツールです。
MVVを掲げるだけでは、判断軸にはなりません。実際に使われることで初めて会社の共通言語になります。
今回のクレドカード作成で特に意識したのは、「結果(成果)」よりも「プロセス(行動)」に寄せることでした。
MVVの中でも、日々の行動に直結するのはValueです。だから、クレドカードも“内向き(社内)に効く設計”を優先し、Valueを起点に、行動に繋がる形へ寄せることにしました。
ワンフレーズに想いを込める
Valueの構成は 「見出し(柱) + 本文」となっており、
見出しの 成長/誠実/チームワーク/カイゼン/挑戦 だけでも方向性は伝わりますし、本文が加わることで「日々の行動指針」がより具体的になります。
ただ、クレドカードは社員全員に配布するものです。
だからこそ、“内向き(社内)に効く設計”によりこだわりたい。同じ言葉でも解釈がズレないよう、行動が想起できる状態にしたい。
そのためにValueごとに“想いを込めたワンフレーズ”を添えることにしました。
ワンフレーズの案を出していく中で、最初どうしても「期待を超える」「成果を最大化する」といった“結果”を語る表現が増えがちでした。
もちろん成果は大切ですが、成果そのものは状況に左右されます。一方で、行動は日々選択して積み重ねるもの。
だから、ワンフレーズは「成果を出そう」ではなく、成果につながる行動を、毎日選べる言葉に寄せていきました。
そして、案を考える筆がのってくると、ポエム感が増していくという新たな悩みにも直面しました。
MVV見直しの際も、このような「エモさの暴走」が大きな壁となって立ちはだかったのは、記憶に新しいところです。
そこで今回も、AIを「アシスタント」として活用し、ブラッシュアップを重ねていきました。
前回はChatGPTを、今回はGeminiを使用してブラッシュアップしました。
AIの提案を叩き台にしつつ、微調整を加えることで「これだ」という形に仕上がりました。
実際に完成したクレドカード(Value面)がこちらです。
★ワンフレーズ推移例 ~【誠実】と【チームワーク】の場合~
【誠実】の推移(結果よりもプロセスを重視するように)
└> 誠意と責任をもって最後までやりきり、期待に応え超える
└> 相手に対する誠意、自発的コミュニケーションと傾聴
└> 相手への誠意と、自発的な対話・傾聴を徹底する
└> 【完成案】相手への誠意をもち、自発的な対話と傾聴を徹底する
【チームワーク】の推移(情緒的な表現を控えるように)
└> 互いの得意を持ち寄り、巻き込み合い、任せ合う
└> 互いの得意分野を尊重し、積極的に巻き込み合い、責任を持って任せ合う
└> 【完成案】互いの強みで巻き込み合い、責任を持って任せ合う
Value面に込める内容が固まったら、次はVisionとMissionのワンフレーズを検討していきます。
ただ、Vision/Missionまで含めた推敲過程をすべて紹介すると長くなるため、ここでは割愛します。
ひとつだけ結論として触れておくと、Missionについてはあえてワンフレーズを付けないという判断をしました。
「短く、直球勝負」というコンセプトを最後まで貫くためです。余計な補足を足すよりも、まずは一文の強さと覚えやすさを優先する形にしました。
これで、クレドカードに“想いを込める”フェーズはひと区切りです。
仕上げの際のポイント
クレドカードに想いを込めた後は、Illustratorで仕上げ、入稿データ完成にまで持っていきます。
コーポレートカラーである"青"をベースに
・3つ折り名刺か2つ折り名刺か?
・会社のロゴは入れた方が良いか?
などを比較検討していきます。
実のところ「3つ折り名刺か2つ折り名刺」の選択は大きなポイントでした。
結論として「2つ折り名刺」を選択したのですが、「開く回数を減らす」つまり、"使うまでの摩擦を最小化する"ことを重要視しての結果でした。
ワンフレーズで単に言葉を整えるだけでなく、「いかに気軽に使えるか」という運用フェーズを見据えたデザイン判断を行いました。
まとめ
今回の記事では、MVVを「掲げる言葉」から「使われる言葉」へと進化させるため、クレドカードを刷新した舞台裏をご紹介しました。
ポイントは、結果としての成果ではなく、日々の積み重ねである「プロセス(行動)」にフォーカスしたことです。
そのためにワンフレーズを添え、解釈のズレを減らし、行動が想起できる言葉へと磨き込みました。言葉の調整では生成AIもアシスタントとして活用し、最終的に腹落ちする形に仕上げています。
また、カードの形やデザインも使うまでの摩擦を減らすことを重視したものを採用しました。
クレドカードもまた完成がゴールではなく、ここから日々の業務や振り返りにのせて"共通言語"として育てていくフェーズに入っていきます。
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